建設業法令遵守ブログ

【建設業法】条文解説

建設業法第8条「欠格要件」解説

大野裕次郎

社員行政書士・東京事務所所長

大野裕次郎

建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。

建設業に参入するためには、建設業法に基づく許可が必要です。しかし、建設業法第8条では、一定の条件を満たさない場合、許可が認められない「欠格要件」が規定されています。この条文は、建設業の健全な運営を確保し、法令遵守を促進するために重要なものです。本記事では、欠格要件について詳しく解説します。

条文の確認

建設業法第8条では、国土交通大臣・都道府県知事が、建設業の許可をしてはらならない事由が2つ規定されています。一つは、許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合。もう一つは、許可申請者又はその役員等若しくは令第3条に規定する使用人が、建設業者としての適性を期待し得ない一定の要件(欠格要件)に該当する場合です。

第八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 第二十九条第一項第七号又は第八号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者
三 第二十九条第一項第七号又は第八号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日から当該処分があつた日又は処分をしないことの決定があつた日までの間に第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から五年を経過しないもの
四 前号に規定する期間内に第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、前号の通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から五年を経過しないもの
五 第二十八条第三項又は第五項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
六 許可を受けようとする建設業について第二十九条の四の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
七 拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
八 この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
九 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(第十四号において「暴力団員等」という。)
十 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの
十一 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号(法人でその役員等のうちに第一号から第四号まで又は第六号から前号までのいずれかに該当する者のあるものに係る部分に限る。)のいずれかに該当するもの
十二 法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、第一号から第四号まで又は第六号から第十号までのいずれかに該当する者(第二号に該当する者についてはその者が第二十九条の規定により許可を取り消される以前から、第三号又は第四号に該当する者についてはその者が第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第六号に該当する者についてはその者が第二十九条の四の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの
十三 個人で政令で定める使用人のうちに、第一号から第四号まで又は第六号から第十号までのいずれかに該当する者(第二号に該当する者についてはその者が第二十九条の規定により許可を取り消される以前から、第三号又は第四号に該当する者についてはその者が第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第六号に該当する者についてはその者が第二十九条の四の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの
十四 暴力団員等がその事業活動を支配する者

建設業法第8条の概要

建設業法第8条では、以下の2つの条件に該当する場合、国土交通大臣または都道府県知事が建設業許可を行わないと定めています。

  1. 許可申請書または添付書類において、重要な事項について虚偽の記載がある場合、または重要な事実の記載が欠けている場合。
  2. 許可申請者、役員等、または政令で定める使用人が一定の要件(欠格要件)に該当する場合。

これらの規定により、建設業者としての適正が欠けている場合に許可が制限されます。

欠格要件の詳細

欠格要件は14項目に分けられています。許可申請者やその役員等若しくは令第3条に規定する使用人が次に掲げるものに1つでも該当する場合、許可は行われません。以下は、それぞれの要件について簡潔に説明します。

  1. 成年被後見人や被保佐人、破産者で復権を得ていない者
    法的に判断能力が制限されている者や、破産手続き後に復権していない者は許可を受けられません。
  2. 過去に建設業許可が取消された者
    許可取消から5年間は新たな許可申請が認められません。
  3. 取消処分通知後に届出を行った者
    一定の行政手続きに基づく届出を行った場合、届出日から5年間は許可が制限されます。
  4. 取消処分通知前に役員等であった者
    関連する法人や個人の役員等であった場合、届出日から5年間は許可を受けることができません。
  5. 営業停止命令を受けている者
    停止期間中の営業許可申請はできません。
  6. 営業禁止処分を受けている者
    禁止期間中は許可が認められません。
  7. 拘禁刑以上の刑を受けた者
    刑の執行終了日または執行免除日から5年間は許可申請が不可です。
  8. 特定法令違反による罰金刑を受けた者
    建設業関連法令違反や暴力団関係法令違反で罰金刑を受けた場合、執行終了日から5年間は許可が制限されます。
  9. 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年以内の者
    暴力団関係者は、一定期間許可を受けられません。
  10. 未成年者で法定代理人が欠格要件に該当する場合
    法定代理人が欠格要件に該当する未成年者は許可が制限されます。
  11. 法人の役員等が欠格要件に該当する場合
    法人の役員等に欠格要件該当者がいる場合、その法人は許可を受けられません。
  12. 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない場合
    精神障害(精神疾患)により認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない場合、許可を受けられません。
  13. 個人の政令で定める使用人が欠格要件に該当する場合
    個人事業主の政令で定める使用人(支配人)が欠格要件に該当すると許可は制限されます。
  14. 暴力団関係者が事業活動を支配している場合
    暴力団関係者が関与する事業は許可を受けられません。

虚偽記載や記載漏れに関する注意点

許可申請書や添付書類に虚偽記載や記載漏れがある場合、それが故意でなく過失であっても許可が認められない可能性があります。また、許可取得後に虚偽記載や記載漏れが判明した場合、許可の取消しが行われることがあります。申請時には正確な情報を提供することが重要です。

重要性と実務への影響

建設業法第8条の欠格要件に該当するかどうかは、建設業の許可取得のみならず、その後の事業運営にも影響を与える重要な要素です。法令遵守と適正な事業運営を確保するために、欠格要件を正確に理解し、適切に対応することが求められます。

まとめ

建設業法第8条の欠格要件は、建設業界の適正な運営を保障するための重要な規定です。申請者は、これらの要件を十分に理解し、許可申請時に必要な情報を正確に提出することが求められます。法令遵守を徹底し、健全な事業運営を目指すことが建設業者としての第一歩となります。

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