建設業法第2条「定義」解説
社員行政書士・東京事務所所長
大野裕次郎
建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。
建設業法は、日本国内で建設業に従事する企業や個人が遵守すべきルールを定めています。その中でも第2条は、法律内で使用される主要な用語の定義について明確に記載されており、建設業法を正しく理解するための基本的な条文です。この記事では、第2条に基づき建設業法で規定される用語とその解釈について詳しく解説します。
建設業法第2条における用語の定義
建設業法第2条は、建設業に関連する重要な用語の定義を示しており、これを正確に理解することで、建設業法全体の内容をより深く把握することが可能です。
「建設工事」とは?
建設業法第2条では、「建設工事」を以下のように定義しています。
第二条 この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう。
この「建設工事」には、一般的な土木工事や建築工事だけでなく、設備工事などを含む幅広い工事が含まれます。具体的には建設業法で定められている以下の29種類の工事が該当します。
| 番号 | 工事種別 | 説明 |
|---|---|---|
| 1 | 土木一式工事 | 土木構造物を総合的に建設する工事 |
| 2 | 建築一式工事 | 建築物を総合的に建設する工事 |
| 3 | 大工工事 | 木材を使用して建物を建設する工事 |
| 4 | 左官工事 | モルタルやコンクリートを使用した仕上げ工事 |
| 5 | とび・土工・コンクリート工事 | 足場の設置や基礎工事などの総合工事 |
| 6 | 石工事 | 石材を使用した建設工事 |
| 7 | 屋根工事 | 屋根の施工や修理を行う工事 |
| 8 | 電気工事 | 配電設備や電気設備の設置工事 |
| 9 | 管工事 | 配管設備の設置や修理を行う工事 |
| 10 | タイル・れんが・ブロック工事 | 壁や床にタイル、れんが、ブロックを施工する工事 |
| 11 | 鋼構造物工事 | 鋼材を使用して構造物を建設する工事 |
| 12 | 鉄筋工事 | 鉄筋を使用した構造物の補強工事 |
| 13 | 舗装工事 | 道路や駐車場などの舗装を行う工事 |
| 14 | しゅんせつ工事 | 河川や港湾の底を掘削する工事 |
| 15 | 板金工事 | 金属板を使用した建築物の加工工事 |
| 16 | ガラス工事 | 窓ガラスや鏡を設置する工事 |
| 17 | 塗装工事 | 建物や構造物の塗装を行う工事 |
| 18 | 防水工事 | 建物や構造物を防水加工する工事 |
| 19 | 内装仕上工事 | 建物内部の仕上げを行う工事 |
| 20 | 機械器具設置工事 | 機械設備の設置を行う工事 |
| 21 | 熱絶縁工事 | 断熱材を使用した工事 |
| 22 | 電気通信工事 | 通信設備の設置や修理を行う工事 |
| 23 | 造園工事 | 庭や緑地を整備する工事 |
| 24 | さく井工事 | 井戸を掘削する工事 |
| 25 | 建具工事 | ドアや窓などの建具を設置する工事 |
| 26 | 水道施設工事 | 水道管や給水設備を設置する工事 |
| 27 | 消防施設工事 | 消防設備を設置する工事 |
| 28 | 清掃施設工事 | 清掃設備の設置や修理を行う工事 |
| 29 | 解体工事 | 建築物や構造物を解体する工事 |
このように、建設工事の範囲は非常に広範であり、事前にどの項目に該当するかを確認することが重要です。
「建設業」とは?
建設業法では、「建設業」を以下のように定義しています。
第二条 この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。
ここでのポイントは、「名義を問わず」という点です。つまり、どのような名称で事業を行っている場合でも、建設工事の完成を請け負う営業であれば、「建設業」に該当します。この定義には、建設工事を実施する企業だけでなく、個人事業主も含まれます。
その他の重要な用語
建設業法第2条では、他にも以下の用語を定義しています。
「建設業者」とは?
建設業法第3条第1項に基づき、建設業の許可を受けて建設業を営む者を指します。ただし、以下の「軽微な建設工事」のみを請け負う者は、建設業者に該当しません。
- 建築一式工事の場合
- 工事1件の請負代金が1,500万円未満の工事
- 延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事(延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するもの)
- 建築一式工事以外の場合
- 工事1件の請負代金が500万円未満の工事
「下請契約」とは?
建設業法では、下請契約を以下のように規定しています。
第二条 この法律において「下請契約」とは、建設工事を他の者から請け負った建設業を営む者と他の建設業を営む者との間で当該建設工事の全部又は一部について締結される請負契約をいう。
ここで重要なのは、下請契約が元請と下請間だけの関係ではなく、孫請以下の関係でも適用される点です。
「発注者」「元請負人」「下請負人」とは?
- 発注者: 建設工事を最初に注文する者を指します。
- 元請負人: 下請契約における注文者で、建設業者である者を指します。
- 下請負人: 下請契約における請負人のことです。
建設業法第2条の重要性
建設業法第2条は、建設業に関連する基本的な用語の定義を記載しているため、建設業界で活動する際に必ず理解しておくべき内容です。正確な理解がないと、法令違反や監督処分のリスクが高まる可能性があります。
例えば、「軽微な建設工事」の定義に該当する場合、建設業許可が必要ない可能性がある一方で、許可が必要な場合に無許可で営業を行うと罰則を受けることになります。建設業法に定められた用語の意味をしっかり理解し、法令を遵守して事業を進めることが重要です。
まとめ
建設業法第2条は、建設業に関する基礎となる用語を定義した重要な条文です。これらの定義を正確に理解することで、建設業法の内容をより深く把握し、適切に対応することが可能になります。
建設業法に関するお悩みや不明点がある場合は、専門家に相談することをおすすめいたします。行政書士法人名南経営は、建設業法に関する各種手続きやコンサルティングを行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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