建設業法令遵守ブログ

【建設業法】条文解説

建設業法第7条「許可の基準」解説

大野裕次郎

社員行政書士・東京事務所所長

大野裕次郎

建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。

建設業法第7条で定められている「許可の基準」は、建設業者が許可を取得する際に満たすべき重要な条件です。本記事では、建設業許可の基準について簡単に解説します。

条文の確認

まずは条文の確認をします。建設業法第7条は、建設業許可を取得するための基本的な基準を定めています。この基準は、建設業者が適切に事業を運営し、社会的信頼を確立するための指針となります。

(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
二 その営業所ごとに、営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいずれかに該当する者をいう。第十一条第四項及び第二十六条の五において同じ。)を専任の者として置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による実業学校を含む。第二十六条の八第一項第二号ロにおいて同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。同号ロにおいて同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。同号ロにおいて同じ。)を卒業した(同法による専門職大学の前期課程を修了した場合を含む。)後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者
三 法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
四 請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。

建設業法第7条の4つの基準

建設業法第7条の第1号から第4号までを簡潔に書き表すと次の4つの基準が書かれています。これらの基準を満たすことで、建設業許可を取得することが可能です。

  1. 経営業務の管理責任者がいること
  2. 営業所技術者がいること
  3. 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがないこと
  4. 財産的基礎又は金銭的信用があること

これら4つの基準について解説していきます。

1.経営業務の管理責任者がいること

「建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。」を便宜上「経営業務の管理責任者」と呼びます。これは、事業の経営全般に関与し、建設業の運営を適切に行う責任を負う者が必要であるという考えから設けられている基準です。

要件

経営業務の管理責任者には、以下の要件が求められます。

  • 一定期間以上の建設業の経営経験:
    原則として、5年以上の実務経験(経営業務の執行等の建設業の経営業務について総合的に管理した経験)が必要です。
  • 適切な経営能力
    建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務全般に関する能力が必要です。

2.営業所技術者がいること

工事の品質と安全性を確保する上で不可欠な役割を果たすために設けられている技術者に関する基準です。

要件

営業所技術者には、以下の条件が求められます。

  • 資格要件
    建設業法で認められた国家資格(例:施工管理技士や建築士)を有していること、または一定年数以上の実務経験を有していること。
  • 専任性
    営業所ごとに技術者を専任で配置する義務があります。

3.請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがないこと

建設業者が信頼性の高い請負契約を維持するために設けられている基準です。

不正な行為及び不誠実な行為の内容

  • 「不正な行為」
    請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為をいいます。
  • 「不誠実な行為」
    工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為をいいます。

4.財産的基礎又は金銭的信用があること

企業が健全な財務状況を維持していることは、事業の持続可能性を確保するための重要な要素であるため、この基準が設けられています。

要件

次の1~3に該当する者は、倒産することが明白である場合を除き基準に適合します。

  1. 自己資本の額が500万円以上である者
  2. 500万円以上の資金を調達する能力を有すると認められる者
  3. 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する者

まとめ

建設業法第7条「許可の基準」に基づき、建設業許可を取得するためには以下の基準を満たす必要があります。取得した建設業許可を維持するためにも必要です。

  1. s経営業務の管理責任者がいること
  2. 営業所技術者がいること
  3. 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがないこと
  4. 財産的基礎又は金銭的信用があること
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