建設業法令遵守ブログ

【建設業法】関連コラム

建設業法違反の通報窓口

大野裕次郎

社員行政書士・東京事務所所長

大野裕次郎

建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。

建設業界は、社会基盤を支える重要な役割を果たしています。そのため、業界全体の信頼性を確保し、健全な取引環境を維持するには、法令遵守が不可欠です。しかし、万が一建設業法に違反する行為が疑われた場合には、適切な通報窓口を利用することが求められます。ここでは、建設業法違反の通報窓口について、制度の概要や利用方法をわかりやすくご説明いたします。

建設業法違反の情報提供窓口とは

建設業法違反の情報提供窓口、通称「駆け込みホットライン」は、国土交通省が設置している公式の通報窓口です。この窓口では、建設業法に違反していると思われる事案について、誰でも情報提供(通報)が可能となっています。

特に2025年12月15日に改正建設業法が全面施行されたことにより、通報の利便性や匿名性が強化され、より広く情報を受け付ける環境が整備されています。

なお、情報提供者の不利益が生じないよう、提出された情報は厳重に管理されますので、安心してご利用いただけます。

通報できる内容

通報の対象となるのは、建設業法に違反している可能性がある取引や行為です。例えば、建設業許可を受けていない事業者による工事の請負や、下請負人への著しく不当な取引条件の押し付けなどが該当します。

  • 無許可業者と500万円以上の下請契約を締結している。
  • 営業所や工事現場に必要な技術者が設置さえていない。
  • 書面契約を交わしてくれない。
  • 60日を超える「割引困難手形」で下請代金が支払われた。
  • 著しく短い工期や原価割れの契約を締結させられた。
  • 見積書に記載した労務費などを一方的に減額された。
  • 一方的に請負代金や工期を決定され、協議に応じてもらえない。

このような違反が疑われる場合には、速やかに情報提供窓口を活用することが重要です。

通報方法の種類と特徴

建設業法違反に関する情報提供は、複数の方法から選択できます。

オンラインによる情報提供

国土交通省は「駆け込みホットライン情報収集フォーム」を開設しており、インターネットを通じて24時間いつでも情報提供が可能です。フォームには、違反が疑われる内容や事業者名など、必要事項を入力するだけで簡単に通報できます。

>駆け込みホットライン情報収集フォーム

電話による情報提供

電話による通報も受け付けています。専用ダイヤル(0570-018-240)に連絡することで、最寄りの地方整備局等の担当窓口に自動的につながります。受付時間は平日の10時から12時、13時30分から17時までとなっています(土日・祝日・閉庁日を除く)。

建設業相談窓口ナビの活用

通報の前に「建設業相談窓口ナビ」を利用することで、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、最適な通報・相談先を確認することができます。これにより、適切な窓口への案内がスムーズに行われます。

>建設業相談窓口ナビ

通報時に必要な情報等

駆け込みホットラインに通報する場合、あらかじめ以下の情報を用意しておくとスムーズです。

  • 建設業法違反疑義者情報(必須)
    本店所在地、商号又は名称、代表者名、許可区分、許可番号
  • 建設業法違反疑義内容(必須)
    契約書面不作成、見積りのやりとりにおける労務費の減額、時間外労働規制に反するような短い工期設定等
  • 具体的な建設業法違反疑義内容について(必須)
    いつ、どこで、だれが、何をしたか、経緯等
  • 工事情報(任意)
    工事名、施工場所、工事代金(税抜)、工期
  • 関係資料(任意)
    契約書、見積書、交渉記録、監理技術者証等の資料等

通報後の対応と保護

提供された情報は、必要に応じて建設Gメンによる現地調査や立入検査のきっかけとなります。その結果、法令違反が認められた場合は、監督処分や指導など厳正な措置が取られます。また、情報提供者のプライバシー保護にも最大限配慮されており、報復を恐れることなく通報できる制度設計となっています。

まとめ

建設業法違反の通報は、業界全体の信頼性と健全性を守るための重要な仕組みです。国土交通省の「駆け込みホットライン」や各種相談ナビを活用することで、誰でも手軽かつ安全に情報を提供できます。もしも違反行為を目撃した場合には、ためらわず公式の情報提供窓口を利用することをおすすめいたします。

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