「経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験」とは?|要件判定フローと必須書類チェックリスト
社員行政書士・東京事務所所長
大野裕次郎
建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。
「経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験」とは
建設業許可を取得する際、経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者としての経験を証明することが求められることがあります。この要件は、単なる役職名や肩書きだけでなく、実際に経営業務を適切に管理していたことを証明する必要があります。
国土交通省のガイドラインでは、「準ずる地位」とは取締役や執行役員など、経営に直接関与する地位を指します。この要件を満たすためには、明確な証拠となる書類を提出することが不可欠です。本記事では、「準ずる地位」の具体的な定義や、経験を証明するための書類について詳しく解説します。
準ずる地位とは?
「準ずる地位」とは、経営業務の管理責任者に直接従事し、その業務を補佐する立場を指します。具体的には以下の条件を満たす必要があります:
- 正式な取締役会の決議による選任
被認定者が取締役会の決議によりその地位に選任されていることが必要です。単なる社内の人事異動や役職変更では要件を満たしません。 - 業務執行権限が建設業に関連していること
被認定者が建設業務に直接関連する業務執行の権限を持っている必要があります。たとえば、業務計画の策定や契約締結などが含まれます。 - 建設業の経営業務全般に関与していること
特定の部門やタスクに限らず、建設業務全体を管理していることが求められます。
これらの条件を満たすことを証明するためには、後述する書類の準備が必要です。
経験を証明するための必須書類チェックリスト
建設業許可を取得するためには、「準ずる地位にある者」としての経験を証明する書類を適切に整える必要があります。以下に、必要書類を表形式で整理しました。
| 書類の種類 | 詳細内容 | 補足情報・注意点 |
|---|---|---|
| ① 組織図その他これに準ずる書類 | – 被認定者の地位が取締役等に次ぐ職制上の地位(取締役等の直下)にあることを証明します。 | ・組織図は申請時点の最新のものを提出する必要があります。 ・不足がある場合には、辞令や人事発令書を追加提出します。 |
| ② 業務分掌規程その他これに準ずる書類 | – 被認定者が業務執行を行う事業部門が建設業に関する事業部門であることを証明します。 – 明文化された規定がない場合、決裁文書や稟議書など追加資料で補完します。 |
・事業部門が建設業に関係していない場合は認められません。 ・一部の業務(例:資材調達のみ)を担当する場合も不適格です。 |
| ③ 定款・執行役員規程その他これに準ずる書類 | – 被認定者が取締役会の決議により選任され、業務執行権限を委譲されていることを証明します。 | ・議事録には5年以上分が必要です。 ・議事録の内容が不十分な場合、補足資料を用意する必要があります。 |
各書類の詳細
① 組織図その他これに準ずる書類
ポイント:
- 被認定者が取締役の直下で、経営業務に携わっていることを明確に示す書類です。
- 組織図の他に、人事発令書や辞令なども有効です。
注意点:
- 組織図が最新でない場合、許可申請が不許可となるリスクがあります。
- 必要に応じて追加資料を準備することが求められます。
② 業務分掌規程その他これに準ずる書類
ポイント:
- 被認定者が関与する事業部門が建設業に関するものであることを証明します。
- 業務分掌規程に記載がない場合、決裁文書や稟議書などで補足する必要があります。
注意点:
- 建設業に関する業務全体に関与していない場合、経営業務の経験として認められない可能性があります。
- 特定の業務(営業部門や資材調達部門のみ)に限定されている場合も不適格とされる場合があります。
③ 定款、執行役員規程、取締役会議事録その他これに準ずる書類
ポイント:
- 被認定者が取締役会の決議により選任され、明確な業務執行権限を持っていることを証明します。
- 特に議事録には、業務執行権限の委譲内容が具体的に記載されていることが重要です。
注意点:
- 取締役会の議事録が不足している場合、申請が認められない可能性があります。
- 内容が不十分な場合には、補足資料を追加する必要があります。
プロの視点
このチェックリストの準備は、単なる書類提出ではなく、内容の整合性や信頼性を確保することが極めて重要です。たとえ実際に経営業務を管理していたとしても、証明書類が不備であれば、許可が下りないリスクがあります。
また、書類を揃える際には、建設業法や国土交通省のガイドラインを十分に理解し、それに基づく準備を行うことが求められます。
認められる事例は?
提出した書類が要件を満たしているかどうかは、行政庁が以下の基準で判断します。
認められやすいケース
- 取締役会の決議で正式に選任され、業務執行権限が明記されている場合
- 組織図や業務分掌規程により、建設業の経営管理に従事していることが明確に確認できる場合
よくあるNGケース
- 役職名が「本部長」だが、取締役会の決議を伴わない場合
- 建設業の一部業務(営業、資材調達など)しか担当していない場合
- 必要書類を破棄してしまい、証明できない場合
まとめ
「経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験」を基に建設業許可を取得することは、高いハードルを伴います。専門家のアドバイスを受けながら、事前準備を徹底することが重要です。
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