建設企業のための適正取引ハンドブック
社員行政書士・東京事務所所長
大野裕次郎
建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。
国土交通省が発行している「建設企業のための適正取引ハンドブック」はご存知でしょうか?
今般、「建設企業のための適正取引ハンドブック」の第3版が発行されました。第2版の内容から、資材価格高騰への対応などの新たな課題を踏まえ、取引上の最新の注意点などが盛り込まれています。非常に良く出来ているハンドブックですので、ご紹介させていただきます。
ハンドブックの概要
ハンドブックの内容は、注意が必要な取引条件がイラスト付きで分かりやすく解説されていたり、適正取引のためのノウハウにまで触れられています。「建設業法令遵守ガイドライン」などの資料に比べ、とても読みやすく、また理解しやすく作られていますので、適正取引について初めて学ぶ方にとってはオススメの資料です。
例えば、注意が必要な取引条件に関しては、2章で「章 こんな取引条件に要注意!!」として、次のような事例が取り上げられています。
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- 不明確な見積条件や見積提出期限が短くありませんか?
- 口頭契約や契約書交付が着工後になっていませんか?
- 契約工期が通常よりもかなり短い期間になっていませんか?
- 契約金額が協議なく一方的に決められていませんか? 他
出典:国土交通省「建設企業のための適正取引ハンドブック第3版」(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001585799.pdf)
イラストによりイメージがしやすく、理解しやすい作りとなっています。
国土交通省の解説動画
「建設企業のための適正取引ハンドブック」を基に、建設工事の請負契約における適正な取引について解説している動画です。
ハンドブックの活用方法
弊社では「建設業法コンプライアンス研修」というサービスを提供していますが、このような有料研修に関して「従業員の数も少ないし、お金を払ってまで研修をするのはちょっと・・・。」という方もいらっしゃると思います。
そのような場合には、今回ご紹介したような国土交通省の無料の動画とハンドブックをご活用いただくと良いと思います。国土交通省では他にも建設業法令遵守に関する動画を公開していますので、従業員教育にもお使いいただくことができます。