【パブリックコメント】建設業法施行規則の一部を改正する省令案について
社員行政書士・東京事務所所長
大野裕次郎
建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。
国土交通省では、「建設業法施行規則の一部を改正する省令」を定めることを予定しており、「建設業法施行規則の一部を改正する省令案」について、2021年11月26日から意見募集が開始されました。
以下、省令案の概要から抜粋してご紹介します。
背景
(1)主任技術者の要件を満たす者への工事担任者の追加について
建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第 26 条第1項においては、建設業者は、その請け負った建設工事を施工するに当たり、一定の要件を満たす技術者を当該工事現場に主任技術者として置くことが求めてられており、建設業法施行規則(昭和 24 年建設省令第 14 号。以下「規則」という。)第7条の3において、この主任技術者の要件の1つとして、技能士や建築士等、法令等に基づき一定の資格を取得した者が規定されている。
令和3年4月1日より、電気通信事業法(昭和 59 年法律第 86 号)に基づく工事担任者となるための試験及び養成課程において、工事の施工管理に関する内容の充実が行われたところ。これを踏まえ、同日以降に工事担任者となった者を、電気通信工事業における主任技術者の要件を満たす者として位置付ける必要がある。
(2)経営事項審査の再審査の申立て期間の特例について
建設技能者をその技能や経験により4段階のレベルに分類する「能力評価(レベル判定)」に関して、その結果を出力可能な「レベル判定システム」の運用が令和3年6月 16 日から停止し、各能力評価実施団体による能力評価関係事務が再開される同年8月 31 日までの期間、当該建設技能者は自身が受けた能力評価の結果を証明することができない状況となっていたところである。建設業法第 27 条の 26 第1項に基づく経営規模等評価においては、建設業者の技術力及び社会性の観点から、当該建設業者に雇用される者が受けた能力評価の状況を評価しているところ、レベル判定システムの運用停止により、一定数の建設業者が、経営規模等評価に必要な事実を証する書類を提出できない事態が発生していたところである。このような状況を踏まえ、規則第 20 条第1項の規定により「30 日以内」とされている経営規模等評価の再審査の申立ての期間について、特例的に延長する必要がある。
改正の概要
(1)主任技術者の要件を満たす者への工事担任者の追加について
電気通信工事業における主任技術者の要件を満たす者として、「工事担任者資格者証の交付を受けた者(第一級アナログ通信及び第一級デジタル通信の資格者証の交付を受けた者又は総合通信の資格者証の交付を受けた者に限る。)であって、資格者証の交付を受けた後電気通信工事に関し3年以上実務の経験を有する者」を追加する(規則第7条の3第2号の改正)。なお、改正後の規則第7条の3第2号の規定は、令和3年4月1日以降に、工事担任者試験に合格した者、養成課程を修了した者及び総務大臣の認定を受けた者に限り、適用とすることとする。
(2)経営事項審査の再審査の申立て期間の特例について
令和3年6月 16 日以降に経営規模等評価の申請をした建設業者のうち、レベル判定システム運用停止の影響を受けた者について、経営規模等評価の再審査の申立て期間を、本省令の公布日の 120 日後まで延長する(附則の改正)。
今後のスケジュール(予定)
公布12月中下旬、施行12月中下旬(公布の日)
意見募集期間
令和3月11月26日(金)から令和3年12月9日(木)まで(必着)
意見公募についての詳しい情報はこちらをご覧ください。
»e-GOVパブリック・コメント「建設業法施行規則の一部を改正する省令案に関する意見募集について」
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