建設業法令遵守ブログ

【建設業法】条文解説

建設業法第29条の4「営業の禁止」解説

大野裕次郎

社員行政書士・東京事務所所長

大野裕次郎

建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。

条文の確認

建設業法第29条の4は、営業の停止又は許可の取消しの処分を受けた建設業者等の役員又は使用人等に対する営業の禁止に関する規定です。

(営業の禁止)
第二十九条の四 国土交通大臣又は都道府県知事は、建設業者その他の建設業を営む者に対して第二十八条第三項又は第五項の規定により営業の停止を命ずる場合においては、その者が法人であるときはその役員等及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人(当該処分の日前六十日以内においてその役員等又はその政令で定める使用人であつた者を含む。次項において同じ。)に対して、個人であるときはその者及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人(当該処分の日前六十日以内においてその政令で定める使用人であつた者を含む。次項において同じ。)に対して、当該停止を命ずる範囲の営業について、当該停止を命ずる期間と同一の期間を定めて、新たに営業を開始すること(当該停止を命ずる範囲の営業をその目的とする法人の役員等になることを含む。)を禁止しなければならない。
2 国土交通大臣又は都道府県知事は、第二十九条第一項第五号又は第六号に該当することにより建設業者の許可を取り消す場合においては、当該建設業者が法人であるときはその役員等及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人に対して、個人であるときは当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人に対して、当該取消しに係る建設業について、五年間、新たに営業(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うものを除く。)を開始することを禁止しなければならない。

営業の禁止とは

建設業者(建設業許可業者)が許可取消し処分を受けた場合等に、その会社の役員や政令で定める使用人(令第3条の使用人)が新たに他の建設業者の役員等となって営業を行うことが出来てしまうと、監督処分の実効性を期することができません。

そのため、許可取り消し処分を受けた建設業者の役員や令第3条の使用人に対しても、同時に営業の禁止がされることとなっています。

明日から活かせる配置技術者・下請契約・監督処分などのポイントを徹底解説
建設業法コンプライアンス研修
  • 建設業法の理解を深めることで監督処分・罰則のリスクを回避
  • 従業員の定期教育や新入社員研修としても活用可能
  • 研修資料は参加者に無料で配布、そのまま業務に活かせる
  • 録画可能、欠席者のフォローや社内教育に活用できる

参加人数に関わらず一律料金、オンラインで全国対応も可能です。

営業の禁止をする法人の役員等の範囲

特に規定されていませんが、処分原因発生後に新たに役員等になった者は除くと解されています。

当該処分の前六十日以内においてその役員等又はその政令で定める使用人であった者を含む

監督処分の原因となる事実が発生しても、処分がされるまでは時間がかかるため、処分がされるまでの間に役員等であった者が処分を免れるために辞任することが考えられます。

そのため、処分の日前60日以内において役員等であった者についても処分の対象とされることになっています。

禁止される行為

禁止される行為は、取消しに係る建設業について「新たに」営業を開始することです。

許可を受ける必要のない軽微な建設工事のみを請け負うことは、禁止対象から除外されています。

なお、処分を受ける以前から既に他の法人の役員等又は令第3条の使用人となって行っている営業活動には影響しません。

行政書士法人名南経営は、建設業許可手続きだけでなく、スポットでの相談対応、従業員・協力会社向けの建設業法令研修や、模擬立入検査、コンプライアンス体制構築コンサルティングまで対応しております。

MicrosoftTeamsを利用したWEB面談も可能です。お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら
こんなお悩みありませんか?
  • 建設業法の研修を実施してほしい
  • 立入検査対応に不安がある
  • 建設業法に関する質問・相談がしたい
  • 建設業法改正に対応できているか不安

行政書士法人名南経営が解決への一歩をサポートいたします!