契約の内容に変更が生じた場合に変更契約は必要なのか?建設業法をもとに解説
行政書士
寺嶋紫乃
行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業者向けの研修や行政の立入検査への対応、建設業者のM&Aに伴う建設業法・建設業許可デューデリジェンスなど、建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としている。
変更契約が必要になる工事とは
当初契約を締結したときには想定していなかった工事の変更が、着工後に生ずることがあります。ケースとしては、追加工事が発生するケースと工期の延長等の当初契約の内容に変更が生ずるケースです。
当初契約に工事が追加された場合には、追加工事分の変更契約の締結が必要となります。また、天災等により工期を延長しなければいけない場合や長期にわたる工事で材料の価格高騰が生じ請負金額の見直しをすべき場合等、当初契約の内容に変更を生ずる場合にも変更契約を締結する必要があります。
変更契約において守るべきルールとは
建設業法では契約に関するルールとして、
①着工前の契約締結
②契約は書面で行い、署名又は記名押印
を定めています。
このルールは当初契約においてだけではなく、当然、変更契約においても遵守する必要があります。なぜなら、当初契約は建設業法のルールを遵守して行われていたにも関わらず、変更契約が口約束で行われてしまうと、変更契約の明確性や正確性が損なわれる可能性があるためです。
例外的に、災害時等のやむを得ない場合のみ、着工後の契約が認められていますが、これも通常の契約ルールと同じです。
建設業法上のルールは、変更契約であっても通常の契約と何ら変わらないことを覚えておきましょう。
まとめ
変更契約において建設業法のルールを遵守していない場合は、建設業法違反として処分の対象になりますのでご注意ください。