建設キャリアアップシステムについてPart2
行政書士
寺嶋紫乃
行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業者向けの研修や行政の立入検査への対応、建設業者のM&Aに伴う建設業法・建設業許可デューデリジェンスなど、建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としている。
前回同様に今回も、建設キャリアアップシステム(CCUS)について取り上げます。
運用が開始され、また経営事項審査の改正により、建設キャリアアップシステムについての質問や問合せをいただくことが増えています。本ブログを通じて全体像を把握していただき、御社の導入検討にお役立ていただきたいと思います。
1.建設キャリアアップシステムのメリット
CCUSの概要については前回のブログで取り上げましたので、今回はまずCCUSを導入することのメリットをお伝えします。
事業者(建設業者)にとってのメリットは、「現場管理の効率化」です。具体的には、以下の通りです。
・技能者の就業状況等を容易に確認できる
・現場の入場管理の効率化に繋がる
・書類作成等の事務作業の簡素化に繋がる
また、技能者にとってのメリットは、「技能者の処遇改善」です。具体的には、以下の通りです。
・自らの資格や就業履歴を証明することができる
・適正な評価と処遇が受けられるようになる
・建退共の掛け金を漏れなく積み立てができる
2.建設キャリアアップシステムのデメリット
CCUSは、当然メリットだけではなく、デメリットもあります。
現場においてはメリットが多々ありますが、現場以外(例えば、事務所内や事務職員)においては費用と手間が増えることになります。具体的には、以下の通りです。
・登録料がかかる
・管理者IDの利用料がかかる
・技能者登録の手間がかかる
・専用の機器を整備しなければいけない
登録作業について、説明を加えます。
CCUSの登録の流れは、事業者の登録をし、登録完了後に技能者の登録をします。つまり、事業者の登録は1度で良いものの、技能者は1名ごとにそれぞれ登録作業が発生します。また、費用面においても、技能者は1名ごとに(インターネット申請の場合)2,500円の登録料が発生します。技能者を多数登録しようとすると、手間も費用も増えることになります。
3.建設キャリアアップシステムのまとめ
弊社では登録手続きのサポートをしております。「事務作業の手間」というデメリット部分は、専門家に依頼することで解消できるのできます。(その分、費用はより負担増となりますが。)CCUSの導入により、技能者の向上心が増しレベルアップに励むようになる可能性があります。
まずはCCUSのメリットとデメリットを比較していただき、御社にとって、メリット・デメリットどちらが大きいのか、導入のメリットに魅力を感じるのか等々、検討をしてみるのが良いのではないでしょうか。
《引用:国土交通省「建設キャリアアップシステムの利用手順」より》
行政書士法人名南経営は、建設業許可手続きだけでなく、スポットでの相談対応、従業員・協力会社向けの建設業法令研修や、模擬立入検査、コンプライアンス体制構築コンサルティングまで対応しております。MicrosoftTeamsを利用したWEB面談も可能です。お気軽にご相談ください。