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【建設業法】関連コラム

内部監査の限界どこにある?建設業の監査を外部専門家へ依頼すべき3つの理由

片岡詩織

行政書士

片岡詩織

行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業許可をはじめとする各種許認可手続きを担当し、担当件数は年間200件を超える。建設業者向けの研修や建設業者のM&Aに伴う建設業法・建設業許可のデューデリジェンスなど、建設業者のコンプライアンス指導・支援業務にも携わっている。

建設業法に基づく監査・立入検査は、行政が企業の法令遵守体制の成熟度を見極める重要なプロセスです。しかし、社内だけで監査を完結させると、内部特有の慣れや思い込みにより、重大な違反リスクを見逃す可能性があります。今回は、内部監査の限界がどこに生じるのか、そして外部専門家に依頼することで得られる実務的なメリットを、建設業法の構造と行政の運用方針に基づいて解説します。

なぜ内部監査だけでは不十分なのか

建設業法は許可制度・技術者配置・請負契約・施工体制台帳など、建設業者が遵守すべき様々なルールが設けられており、企業内の担当部署だけですべてのルールを把握することは困難です。さらに、国土交通省は毎年「建設業法令遵守推進本部」の活動として立入検査等を行っており、多発している建設業法違反事例を基に、ヒアリングの内容や確認項目も毎年変化しています。

内部者ゆえに“気づけない盲点”が生まれる

内部監査を行う担当者は、社内のルールに精通しているがゆえに、組織内の慣習を前提に監査をしてしまいがちです。本来、建設業法は行政が作成した基準に基づき判断されるべきものですが、社内ルールが整備されており長年維持されている場合、そのルールが法律と異なる解釈で運用されていることに担当者自身が気づけないケースがあります。

たとえば、請負契約書に必要な記載事項は、建設業法第19条で規定されています。

建設業法第十九条
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
(以下、省略)

しかし社内で長年使われているテンプレートが存在する場合、この基準に適合していないととしても「従来どおりで問題ない」と判断しがちです。

さらに施工体制台帳や施工体系図については、最新の記載方法に沿っている必要があります。本来は不十分な内容であっても、社内では「毎回この内容で進めているから問題ない」と認識されることがあり、典型的な盲点となります。

模擬立入検査を実施すると、これらの法令違反が発見されることは珍しくありません。特に、書面の不足・記載方法の誤り・保存期間の誤認は頻発する指摘事項です。内部監査だけではこれらを見抜くことは困難であり、外部の視点を取り入れる必要性が高いと言えます。

“本番の緊張感”を内部で再現することが難しい

内部監査には、どうしても「社内の延長」という意識が発生します。監査を行う側も受ける側も顔見知りであるため、細かい確認やヒアリングが遠慮されることがあります。しかし、行政による立入検査は、書類が揃っているかという形式的チェックにとどまらず、書類の細かい記載内容や契約変更のプロセス、技術者の配置状況など、深掘りが行われます。
社内だけで緊張感や行政庁からの質問を再現することは難しく、本番の立入検査で初めて建設業法違反が判明するケースも珍しくありません。

最新の法令・行政動向をキャッチアップし続ける負担が大きい

建設業法は頻繁に改正が行われており、国土交通省が発行するガイドラインも常に更新されています。しかし、これらの動向を社内担当者が日常業務の合間に追い続けることは、現実的には困難です。

また行政の調査方針は年度ごとに変化し、特定の監査項目が重点化されることもあります。例えば、ある年度では「技術者配置」や「下請取引の透明性」は重要視され、別の年度では「技術者の実務経験」が重点項目となる場合があります。行政がどの領域に着目しているかが毎年変わるため、担当者は最新情報を把握し続けなければ内部監査が形骸化してしまいます。

外部専門家に依頼する3つのメリット

建設業法に基づく監査を外部専門家に依頼することで得られるメリットを3つの観点からご紹介します。

行政の視点に基づく“指摘されるポイント”を正確に把握できる

外部専門家は、行政の立入検査と同じ視点で監査を行うことができます。
行政の検査は、建設業法の条文に基づくだけでなく、国交省が公表している監督処分基準、各種ガイドラインなどに基づいて行われます。
社内担当者はこれらの全てを網羅的に理解することは難しいですが、外部の専門家であれば実際に指摘されやすいポイントを把握しています。

たとえば、
・契約書の記載事項に漏れがある
・変更契約が書面で締結されていない
・施工体制台帳の添付書類が不足している
・配置技術者の資格が不適切
など、外部の視点が入ることにより、見落としていた法令違反リスクが可視化されるため、本番前に確実に修正することが可能になります。

第三者の立場だからこそ、組織全体の改善点を客観的に指摘できる

社内のルールに精通していないからこそ、部門間で責任が曖昧になっている領域、ルールがあっても守られていない領域など、社内では指摘しにくい問題を公正に指摘することができます。
外部の専門家が指摘することで組織全体として改善に向けた合意形成が進み、ルール整備がスムーズに進むという効果も期待できます。

本番前に“行政が求める水準”へ確実に仕上げられる

外部の専門家は、行政による立入検査の流れ、ヒアリングの内容、提出書類の水準を熟知しています。そのため、本番前に必要な準備を効果的に行うことができます。

たとえば、
・書類の整え方(何をどの順で準備するか)
・ヒアリングでよく問われる質問
・施工体制台帳の添付資料チェック
・工事経歴書の記載整合性の確認
など、内部監査では行いきれない部分まで踏み込んだ指導が可能です。

結果として、本番で「予期せぬ指摘」が生じにくくなり、行政対応の負担が大幅に軽減されます。

当社の「模擬立入検査」がお勧めの理由

豊富な支援実績

行政庁の行う立入検査への同席や、模擬立入検査の実施件数は、毎年10件以上、立入検査に関するノウハウが蓄積されています。

行政による立入検査と同じ資料・確認項目で実施

当社の提供する模擬立入検査サービスは、行政庁の実施する立入検査と同じ流れで実施し、契約書、施工体制台帳、技術者配置資料など、行政と同じ確認項目で確認します。本番で指摘されるリスクの回避や、模擬回答の作成に役立ちます。

改善点が一目で分かる報告書の作成

模擬立入検査終了後は、改善事項の形式的な指摘だけでなく、「なぜ改善が必要なのか」「法令上の根拠は何か」を整理した報告書を作成するため、社内の意思決定がスムーズに進みます。

まとめ

内部監査は企業の状況を理解したうえで継続的な改善を行える点で重要な役割を果たします。しかし、建設業法という複雑かつ改正頻度の高い法律に対応し続けるためには、外部専門家の視点は不可欠です。専門家を活用することで、内部の限界を補完し、行政が求める基準に沿った監査・指摘を行うことができます。また内部監査と併用することで、適切な法令遵守体制を構築することも可能です。

ぜひ皆様にあった、監査体制の構築に当社の模擬立入検査サービスをご活用ください。

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