建設業法令遵守ブログ

【建設業法】条文解説

建設業法第24条の6「特定建設業者の下請代金の支払期日等」解説

寺嶋紫乃

行政書士

寺嶋紫乃

行政書士法人名南経営(愛知県名古屋市)の所属行政書士。建設業者向けの研修や行政の立入検査への対応、建設業者のM&Aに伴う建設業法・建設業許可デューデリジェンスなど、建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としている。

建設業法は、建設業者間の取引の公正と下請業者の保護を目的とした法律です。特に「特定建設業者」が下請契約を締結する際には、下請代金の支払期日等について厳格な規定が設けられています。

建設業法第24条の6の条文と趣旨

(特定建設業者の下請代金の支払期日等)
第二十四条の六 特定建設業者が注文者となつた下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が政令で定める金額以上の法人であるものを除く。以下この条において同じ。)における下請代金の支払期日は、第二十四条の四第二項の申出の日(同項ただし書の場合にあつては、その一定の日。以下この条において同じ。)から起算して五十日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。
2 特定建設業者が注文者となつた下請契約において、下請代金の支払期日が定められなかつたときは第二十四条の四第二項の申出の日が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは同条第二項の申出の日から起算して五十日を経過する日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。
3 特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となつた下請契約に係る下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。
4 特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となつた下請契約に係る下請代金を第一項の規定により定められた支払期日又は第二項の支払期日までに支払わなければならない。当該特定建設業者がその支払をしなかつたときは、当該特定建設業者は、下請負人に対して、第二十四条の四第二項の申出の日から起算して五十日を経過した日から当該下請代金の支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該未払金額に国土交通省令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。

この規定は、下請業者の資金繰りの安定と取引の公正化を目的としています。

特定建設業者と規制対象となる下請契約

「特定建設業者」とは、一定以上の規模の下請契約を締結する際に、特定建設業の許可を受けている建設業者を意味します。本条文が適用されるのは、特定建設業者が注文者となり、下請負人が「特定建設業者」または「資本金4,000万円以上の建設業者」でない場合の下請契約です。

<特定建設業>


出典:中部地方整備局「建設業法に基づく適正な施工の確保に向けて」

下請代金の支払期日の定め方

建設業法では、注文者から請負代金の出来形部分に対する支払い又は工事完成後における支払いを受けたときは、その⽀払対象となった⼯事を施⼯した下請負人に対して、相当する下請代⾦を1ヶ⽉以内で、かつできる限り短い期間内に⽀払わなければならないというルールがあります。

特定建設業者には、より厳しいルールが設定されており、注文者から支払いを受けたか否かに関わらず、「工事目的物の引渡し申出日から50日以内」かつ「できる限り短期間」に支払わなければなりません。

特定建設業者が元請負人となる場合は、「注文者から出来高払いや竣工払いを受けた日から1か月以内」または「引渡し申出日から50日以内」のいずれか早い期日までに支払う必要があります。

<検査・引渡し・下請代金の支払フロー>


出典:関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法」

支払い方法と割引困難な手形の禁止

下請代金の支払いについては、原則的に現金での支払いが望ましいとされています。

ただし、手形で支払う場合は「一般の金融機関で割引が困難な手形」は認められません。この規定は、下請業者がすぐに資金化できない手形を受け取って資金繰りに困ることを防ぐ趣旨です。

支払遅延時の遅延利息

支払期日までに下請代金を支払わなかった場合、支払が完了するまでの間は遅延利息(年14.6%)を下請負人に支払う義務があります。

ただし、天災等やむを得ない理由・正当な理由がある場合には免除される場合があります。

まとめ

  • 特定建設業者が資本金4,000万円未満の一般建設業者等と下請契約を締結した場合、下請代金の支払期日は「引渡し申出日から50日以内」かつ「できる限り短期間」に設定する必要があります。
  • 元請負人となる場合は、建設業法第24条の3の規定も守る必要があり、注文者からの支払日等のいずれか早い日までに下請代金を支払う必要があります。
  • 支払いは原則現金で行い、一般の金融機関で割引が困難な手形は交付できません。
  • 支払期日までに支払いがなされなかった場合は、遅延利息(年14.6%)が発生します。
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