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【建設業法】関連コラム

建設業法第19条の2「現場代理人」解説

大野裕次郎

社員行政書士・東京事務所所長

大野裕次郎

建設業に参入する上場企業の建設業許可取得や大企業のグループ内の建設業許可維持のための顧問などの支援をしている。建設業者のコンプライアンス指導・支援業務を得意としており、建設業者の社内研修や建設業法令遵守のコンサルティングも行っている。

建設業においては、円滑な工事の遂行と契約トラブルの防止のために「現場代理人」の選任が重要な役割を果たしています。本記事では、建設業法第19条の2に規定されている現場代理人について、最新の法令や国土交通省の通達に基づき、分かりやすく解説いたします。

条文の確認

建設業法
第19条の2(現場代理人の選任等に関する通知)
1項 請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては、当該現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法を、書面により注文者に通知しなければならない。
2項 注文者は、請負契約の履行に関し工事現場に監督員を置く場合、当該監督員の権限に関する事項及び行為について請負人への意見申出方法を、書面により通知しなければならない。
3項 上記通知は、政令・省令で定める方法により、電子情報処理組織等を使った通知も可能です(書面による通知とみなされる)。
4項 監督員の通知についても同様です。

現場代理人とは

現場代理人とは、請負契約の的確な履行を担保するため、請負人の代理人として、工事現場の取締りを行い、重要な契約内容の変更や契約解除等を除いて工事の施工に関する一切の事項を処理する者とされています。なお、現場代理人の資格、要件、義務等については、法令上特段の規定はありません。注文者と請負人との契約で、設置するかどうかを決めるものです。公共工事においては現場代理人の設置が義務付けられています。

監督員とは

監督員とは、請負契約の的確な履行を担保するため、注文者の代理人として、設計図書に従って工事が施工されているか否かを監督する者とされています。現場代理人に相対する者です。建設工事は、工事完成後に瑕疵を発見することが困難であり、発見した場合でも修復に相当の費用を要する場合が多いという性質があるため、施工段階で監督することが合理的であることから設置されるものです。監督員についても、資格、要件、義務等については、法令上特段の規定はありません。

通知の目的と手続き

現場代理人や監督員を置く場合、請負人や注文者は、相手方に対して「権限の範囲」や「行為についての異議申出方法」を明確に通知する義務があります。これにより、現場での対応権限が不明確なことから生じるトラブルや紛争を未然に防ぐことが狙いです。

また、通知は書面だけでなく、電子メールやクラウドサービス等の「電子情報処理組織」を利用した方法でも可能です。これらは注文者・請負人双方の承諾があれば有効です。

(出典:国土交通省「建設業法等の一部を改正する法律(令和2年法律第17号)」)

現場代理人・監督員・主任技術者(監理技術者)の違い

設置根拠 設置義務 資格要件
監督員 契約 なし なし
現場代理人 契約 なし
※公共工事は原則あり
なし
主任技術者
監理技術者
建設業法 あり あり
  • 現場代理人・監督員は契約上の取り決めを根拠に設置されるものであり、法令上の設置義務や資格要件はありません。
  • 主任技術者・監理技術者は建設業法第26条等に設置根拠があり、一定の資格要件が定められています。

なお、現場代理人や監督員と主任技術者・監理技術者の兼務については禁止規定はありません。したがって、同一人物が複数の役割を兼ねることも可能です。

まとめ

  • 現場代理人は請負人の代理人として工事現場で管理・指揮を行う。公共工事では原則設置。
  • 監督員は注文者の代理人として工事の適正な実施を確認する。
  • 現場代理人・監督員の選任の通知は書面だけでなく、電子的な方法も可能。
  • 現場代理人・監督員と主任技術者・監理技術者は兼務も可能。
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